赤ちゃんが手足や顔が温かくなると、すやすやと寝てしまうのは、この熱放散過程が睡眠を誘発するからである。
睡眠と体温の関連から解答をみつけることができる。
大事な睡眠がうまく取れない人が増えている。
普段床に就くと、20~30分程すると睡眠が最も深くなり、この深い睡眠に関連してボディーの成長に関わるホルモンが多量に分泌する。
歳を重ねるとお肌の回復がままならないのは、この深い睡眠が少なくなり、GHの分泌量が低下するからである。
最近の統計によると、日本人の5人に1人は、自分の睡眠に何らかの残念を抱いていると言われている。
ホルモンを伸びるホルモン(growthhormone:GH)とよび、その名前が示す通り、骨の成長、タンパク質の合成や組織の修復などに深く関わっている。
睡眠の途中で目が覚めてしまったり、深い睡眠が少なくなる。
我々は睡眠を改善するテクニックを研究してきたので、ここにその一端を紹介する。
手足から熱を放散して脳温を下げる過程を熱放散過程と呼び、これが睡眠を誘発させる必要前提でなのである。
そもそも、睡眠という生理現象は、脳の温度と密接に関係しており、脳温が上昇すると目が覚め、下降すると眠くなる機構によって調節されている。
睡眠が十分とれている女性は素敵といわれる。
これは日本人によって発見され、日本が世の中に誇る睡眠研究のひとつである。
これを体温の概日リズムという。
「寝る子は育つ」という諺があるが、これは科学的にも証明されている。
睡眠を改善するには、この体温リズムの振れ幅を大きくすることが必須である。
冷たい真冬の夜などに、寝る前に布団を温めておくと、良く寝むれたという経験はだれもが持っている。
これを改善するには、昼間と夜間の活動にメリハリを付けるような生活スタイルが睡眠の質を高めるのに有効である。
深部体温は朝から夕方にかけて上昇し、夕方から夜間に下降する24時周期の移り変わりパターンを示す。
身体の中心部の温度を深部体温と呼ぶが、これが脳の温度を反映しており、深部体温が上昇すると脳が活発に活動し、逆に低下すると脳の活動は低下して睡眠が起こる。
このGHが多量に分泌する深い睡眠であるが、40歳前後から徐々に減りはじめ加齢に伴って減少する。
体温リズムの振幅は加齢や鬱傾向になると低下し、睡眠が経年劣化する。
昼間はいつもよりも少し忙しくしたり、体をわずかでも動かすようにして、昼間はこころと身体の活動を高め、夜間は決まった時間帯に睡眠をとるようにすると、体温リズムの振幅が大きくなり、睡眠が改善される。
記憶とか学ぶという認知パフォーマンスは睡眠によって支えられている。
香やストレッチ運動、マッサージなどによる精神的なリラクザイションはこの熱放散過程を促進して、睡眠を誘発する影響がある。
冷えている手足を寝る前に暖めておくと手足の毛細血管が拡張し皮膚の温度が上昇して、寝付きがよくなるからである。
手足を温めて皮膚温を上げると深部体温が下降して睡眠が誘発されるのである。
睡眠は心とボディーの健康にとって重要なものであり、心と体を美しく整えるのに欠くことのできないものである。
深い睡眠を増やすにはどうすればよいのであろうか。
特に肌の美しさや表情の輝きは睡眠と深い関係がある。
このように寝付きをよくするには、就床前に手足を暖めるなどして、この熱放散過程をいかに作るかにかかているのである。
眠りはお肌の健康ばかりでなくこころの健康や知的生活をささえている大切な時なのである。
我々の脳は手足などの身体周辺部の毛細血管を拡張させて体中心部に貯まっている熱を外部に放出させて深部体温を下げている。
睡眠には、昼間即時的に脳に蓄えられた記憶を、夜の睡眠で整理統合して、重要な記憶として脳に固定するパフォーマンスがある。
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